手術の説明、続きです。説明について、前の記事はこちら。
【手術によるプラス面】
腫瘍の摘出術により増大する神経症状の悪化、生命に対する危険を回避することができる。腫瘍摘出により得られた組織で病理診断を行うことができる。
【手術によるマイナス面】
開頭腫瘍摘出術の危険性としては、以下のようなものがあり、後遺障害が生じたり、生命に危険が生じる場合がある。
腫瘍摘出に伴う脳損傷および術中・術後に頭蓋内出血、血管の閉塞になどにより、意識障害、麻痺、失語、視機能障害、嚥下障害などの神経障害が生じる可能性あり。術後の生活に重大な影響を及ぼす、恒久的な障害が残ることがある。
2 術後の創感染(髄膜炎、硬膜外膿瘍、硬膜下膿瘍、脳膿瘍)
術中は抗生剤を予防投与して感染対策を行うが、手術の際、微生物の侵入を100%ゼロにすることは非常に難しい。低栄養、免疫力の低下、頭皮の状態が悪いなど、患者の状態によっては、術後、細菌性髄膜炎、脳膿瘍、皮下膿瘍、硬膜外膿瘍などの、感染性合併症を生じる可能性がある。
3 てんかん(けいれん)
手術の影響で、術後にてんかんが生じる可能性がある。てんかん発作が確認された場合は、抗てんかん薬を処方する。継続して内服を続けないといけない場合がある。
4 肺塞栓・肺炎・心不全等全身的合併症
長時間に及ぶ手術では、下肢静脈に血栓が生じ、肺動脈の塞栓症をきたし、呼吸障害や重篤な症状に至る場合がある。
5 褥瘡、眼球圧迫による視力障害
6 大量出血
腫瘍からの出血があり、手術時間が長くなると、出血が大量になる可能性がある。出血のため、全身状態の安定が保てない場合は、輸血を行う。
7 髄膜播種(悪性腫瘍の場合)
悪性度の高い腫瘍の場合、手術により脳内に腫瘍細胞が散らばることがある。現在では、治療困難な病態であり、致命的な合併症となりうる。
8 頭皮、頭蓋骨の美容上の問題
手術後、頭蓋骨の陥没、金属プレートの凹凸などにより、美容上や頭皮の状態に問題が生じることがありうる。
手術は、12月7日です。
上記の内容は、12月4日に家族と共に、説明された内容です。
説明を見直すと、もちろん手術によって良いことはあるし、絶対に必要なものとはいえ、術後の生活が全く変わってしまうような障害や後遺症が起こることもあるんだと、どきどきします。
そうした重大な後遺症なども全くなく、本当に順調に手術が終わり、今もこうして、ごく普通に生活できる状態だから、「すごい手術を受けたんだ、これだけの危険があるなかで、今こうしていられるのは、奇跡みたいなことだ」って感じます。
12月4日の説明の時は、たぶん、病状や手術の重大さもいまいちわからず、にやにやしてただけに違いないと、正常にもどった今は、とても恥ずかしいです。手術の同意書の署名も、すっごく読みにくい、きたない字だし、日付もまちがえて書いてました。脳腫瘍の状態が最悪だったんだろうと思います。
今は感謝しかありません。
家族にも、本当に心配かけました。本当にありがとうございました。
脳外科の手術をしていただいた先生、心から尊敬します。ありがとうございました。