プラス思考で、ガンと生きる日々

脳腫瘍・肺がん治療、そして時々「街日記」

転移性脳腫瘍(自分の病気)について

自分の身体の状態について、ざっくりとまとめてみたいと思います。

まず、最初の手術に至った病気についてですが、病名は「前頭葉脳腫瘍」です。

f:id:meadow12:20210130150637p:plain
脳腫瘍というのは、頭蓋骨の中にできる腫瘍の総称です。

脳腫瘍は、大きく「原発性脳腫瘍」と「転移性脳腫瘍」の2つに分かれます。

原発性脳腫瘍には、神経膠腫グリオーマ)など、多くの種類がありますが、私の場合は、後者の「転移性脳腫瘍」になるので、それについて書きますね。

転移性脳腫瘍とは?

転移性脳腫瘍とは、他の臓器で生じたがんが、血液の流れによって脳に運ばれ、そこで増えることによって発生したものです。転移のもととなるがんとしては、肺がんが約半数と多く、次いで、乳がん、大腸がんなどとなっています。

転移性脳腫瘍は、血液の流れで転移するので、脳の中で、どこに転移するのかが決まっているわけではなく、どこにでも転移する可能性があるというわけです。

 

私の場合も、肺がんが転移したものでした。

転移性脳腫瘍の場合、もとになるがんが最初から見つかっているわけではなく、私のように、先に脳で症状が出て、調べてみると、実は肺にがんがあることがわかるということも多いようです。

 

転移性脳腫瘍の症状は?

脳腫瘍の基本的な症状は、主に以下の3つです。

(1)頭蓋内圧亢進症状

(2)局所症状

(3)けいれん発作

 

(1)頭蓋内圧亢進症状

 脳は「頭蓋骨」という固い入れ物の中に入っていると考えられます。つまり、頭蓋内の容積は決まっているということです。脳腫瘍のように、本来頭蓋内にあるべきものではないものが大きくなってくれば、頭蓋内の圧力が高まってきます。その結果、頭痛、嘔吐、視力障害といった、いわゆる頭蓋内圧亢進症状があらわれます。

インターネットで、頭蓋内圧亢進症状を検索してたら、看護師さんの勉強のためのサイトに「頭蓋内圧亢進症状は、ずおうっと覚えよ」と書いてありました。もと「塾講師」としては、ここはチェックポイントでした。( ´∀` )

ずおうっというのは、ず…ずつう=頭痛、お…おうと=嘔吐、うっ…うっ血乳頭のことです。うっ血乳頭って、知らない言葉でしたが、視神経乳頭に強いむくみがあり、視力低下など視力障害がおきることです。乳頭ってあるから、別のこと想像しちゃいましたが…… 秋田県乳頭温泉とか… 視神経乳頭というのは、視細胞と脳を結んでいる視神経が束になって、眼球の壁をつきぬけ、脳へ向かうポイントとなるところです。

 

f:id:meimeiww3:20210118112134g:plain

視神経乳頭 https://www.skk-net.com/health/me/c03_s01.html より

f:id:meimeiww3:20210118034940p:plain

うっ血乳頭 https://nurseful.jp/nursefulshikkanbetsu/pediatrics/section_0_00/ より

頭痛はとくに朝おきた時にひどく、嘔吐については、何か食べたあと気持ち悪くなったとかではなく、いきなり吐く感じです。視力障害は初めは自覚できるほどではないこともありますが、視力が低下し、視野もせまくなっていくということです。この症状、最初から、脳の病気だからとわかるのではなく、緑内障が疑われることが多いようです。私もそうでした。

 

(2)局所症状

局所症状というのは、脳の各部位が担う機能に関連してあらわれる症状のことです。脳は、思考や言語・記憶、運動・感覚など、非常にさまざまな機能を担っています。そして、その機能は、脳の中でそれぞれ担当する部位が決まっています。脳の中に腫瘍ができると、その部位の機能が障害されて、局所症状があらわれるようになります。

私の場合は、前頭葉脳腫瘍なので、言語分野がやられてしまって、いわゆる「失語症」という状態になってしまいました。

f:id:meimeiww3:20210115013434p:plain

前頭葉は「脳の司令塔」ともいえるところです。

前頭葉、とくに前頭前野とよばれるところは、脳全体の司令塔であり、「考える」「記憶する」「行動や感情をコントロールする」「判断する」「アイディアを出す」「やる気を出す」「集中する」など、人間が人間らしくあるために、最も重要な働きを担っているところです。

冷静に書いてますが、自分のこととして考えたとき、ここに、あんな大きな腫瘍があったなんて、正直言って、……私、たぶん、人間らしくなくなってたわけですよね。絶対おかしいと思って、病院に来た原因は、言葉がうまく出てこなくなったからですが、何となく、前頭葉に障害がある兆候は、自分では気づかないまま、進んでいたのかもしれません。

 前頭葉の下の方に、言語中枢があり、この部分に障害があると、言葉は理解できても話せないという「失語症」になります。

 失語症の人は、右半身にまひが出ることがありますが、言語中枢は、左の大脳半球にあることが多く、脳に損傷があると、反対側の半身に影響が出るからです。私の場合は、幸い、まひはありませんでした。

 

(3)けいれん発作

脳の神経細胞は、その一つ一つが適切な信号を送り出すことによって、体の働きを調節しますが、脳腫瘍があると、その影響で、脳のある場所の神経細胞が一斉に興奮し、一度に信号を送ることがあります。 このときに起こる発作が、けいれん発作です。

脳腫瘍の人は、けいれん発作を繰り返すてんかんを合併することが多いらしいです。

私も、入院後2日目の朝、けいれん発作を起こしたそうです。自分では、朝、検温の時に、ということまでしか覚えていません。

ただ、けいれん発作をおこす可能性がある、となると、車の運転は、絶対にしてはいけないということになってしまいます。私も、今回の手術後、車の運転はしていません。車の運転、ドライブは大好きだったので、相当なストレスではあるのですが……

 

こうして病気のことをまとめてみると、

たしかに、頭はよくもやっとした感じだったし、目や視力の異常があって、眼科で緑内障の検査を受けていたし(頭蓋内圧亢進症状あり)、失語症だし(局所症状あり)、けいれんの発作も起きてしまったし、MRIでは、何よりの証拠と言わんばかりに大きな腫瘍が写ってるし、認めたくなくても、「脳腫瘍」だったんです。

 f:id:meimeiww3:20210119015038p:plain