プラス思考で、ガンと生きる日々

脳腫瘍・肺がん治療、そして時々「街日記」

【入院回顧録】手術当日、幻覚と妄想のICU

転移性脳腫瘍の手術当日のこと、その後のICUについて、心もとない記憶をもとに、少し書いておきますね。

 2020年12月7日 転移性脳腫瘍 腫瘍摘出手術当日

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手術当日のことは、記憶どころか、何も覚えていません。朝、食事をしたのかどうかも覚えてないです。

手術用の服に着替えたりしたのかな?手術室まで歩いて行ったのか、車椅子だったのか、ストレッチャーだったのか、それも覚えていないです。

脳の手術だから、記憶もとんでしまっているのかもしれません。

手術は、全身麻酔で行われるので、当日は「痛い」などという感覚もなく、知らないうちに頭を開けられ、腫瘍を取り除かれていたということになります。

……私自身は、何もわかってないんですよね。手術って、そんなものかもしれないけれど、自分でも見たことがない頭の中を色々されてたなんて、複雑な気分です。

手術は8時間の予定だったのに、何時までたっても終わらなくて、家族が聞いたところ、なかなか麻酔がきかず、手術が始まったのが、すでに3時間近くの遅れだったようです。

手術が終わり、気づいたときは、ICUにいたんだろうと思います。

 

おぼろげな記憶の中のICU…幻覚と妄想 

おぼろげな記憶どころか、「ほとんど、それ幻覚でしょう?」って、あとで家族に言われましたが、幻覚でも、妄想でも、自分がそのとき思ったことを書いておこうと思います。

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【以下、幻覚・妄想のICU体験 】

カーテンで仕切られた、薄暗い部屋。時々、急に明るくなってまぶしい。

最初、看護師さんと話したような気がするんだけど、その看護師さんは外国の人。「私、わかんない」って笑ってて、こちらの不安をかきたてる。

他に誰かいないのかと探したけれど、時々カーテンの外を誰かが行き来する気配がするだけ。暗い部屋に置き去りにされてる感じ。

「これ、絶対、手術失敗したわ」って思った。

だって、つらすぎる……何もできないし、暑いのか寒いのかもわからないし、とにかく何もわからない。

天井から、歯車のようなものが見えてて、何に使うんだろうと、ちょっと怖かった。

口の中に、何かぎざぎざしたものが入ってて、気分が悪い。

そして、全然動けない。動こうとしたら、かなりきつく注意されたような気がする。

目の前には、大きな時計。大きな時計なのに、文字盤が見えない。何時なのかもわからない。「今、何時ですか?」って聞くと、「さっきも聞いたよね、まだ5分しかたってないよ」と言われる。

どこが痛いって、体中痛いような気がするんだけど、とくに腕が痛かった。

それは、妄想ではなく、麻酔の点滴が入らず、何度もやり直して、実際にすごく腫れてたから。

痛くて暴れたのかもしれないけど、腕を動かせないように固定されちゃった、たぶん。

「注射したほうがいいね」と言われ、針が刺さったとたん、激痛が走る注射をされ……

絶望というのは、こういう状態をいうんだろうなと思いながら、

とにかく解放されたかった。でも終わらない気もして、悲しかった。

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ほんとは、ICUは、術後・急性期の重篤な患者さんに対する集中治療室で、24時間体制で治療・処置・看護をしてくれるところです。看護師さんは、専門的な知識・技術をもった方が担当するそうです。

ここに書いたのは、幻覚と妄想だらけのICU体験ですが、開頭、腫瘍摘出と大きな手術をした後だから、こんな気分になっていたのでしょう。手術の翌日、12月8日の午後には、ICUを出ていると思うので、20時間くらい、苦しい思いをしてたのかな。

手術当日も、ICUにいた日も、家族はずっと病院にいてくれたそうですが、私自身、自分のつらさしか考えていなかったです。すみません……