プラス思考で、ガンと生きる日々

脳腫瘍・肺がん治療、そして時々「街日記」

シュールな夢のお話とCT検査

先日6月4日は、CT検査の日でした。

少し前にシュールな夢を見たせいで、通い慣れた病院のはずなのに、かなり緊張して行きました。夢がほんとになったら、ちょっと怖いですから。その夢について、少し書いておきますね。あくまで夢なんですけどね。

夢のお話

診察のために、いつもの病院に行きました。エレベーターで目的の階に行こうとしたのですが、なぜか、最上階9階行きのボタンしか反応しません。

そもそも、この病院って、9階まであったっけ。

もしかして、9階って「霊安室」だったりする?

でも普通、「霊安室」って、地階にあるんじゃないの?

もしかして、上に行くってことは「昇天」するってこと?

いずれにしても、9階にしか行けないので、半強制的に9階へ。エレベーターから降りると、フロアはなくて、外に続く階段のようなものがありました。

そこから出てみると……。

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なんと、眼前に広がるのは、都会のビルが林立する風景。

この景色、知ってる。たしか、名古屋駅のあたりかな、大阪の梅田付近かも。知ってると思いつつも、夢のなかでは特定できないまま。

(写真は、名古屋駅前で撮ったものです。)

よく見ると、小学生くらいの女の子が、ベンチに座ってゲームをしてました。その子に「ここ、どこ?」って聞いてみようとしたけれど、ゲームに夢中のようで、声もかけられず。

そのうちに、ポツポツと雨が降りだしたので、あわてて、病院の9階に続く階段の方へ。

ここで目が覚めました、って感じです。

考えすぎかもしれないけど、これって、ちょっと「三途の川渡る」系の夢といえるのではないかと……。雨が降ってきて病院にもどったから、今「この世」にいるけれど、あのまま、都会のビル群のなかにいたら、それがイコール「あの世」にいっちゃった……みたいな。

自分にとって「あの世」って、都会のイメージなの?( ´∀` )  よく聞くのは、一面のお花畑とかですよね。

毎日、体調もあまり良くないので、ついつい夢も変なの見ちゃいますね。

でも今このブログを書くにあたって、ちょっと「夢占い」を検索してみたのですが、「病院のエレベーターの夢」は「良いケアの方法が見つかる、とくに上がっていく夢は〇」らしいので、安心しました。

別のサイトを見てみたら、「エレベーターで高層階や最上階に行く夢」は、願望成就や目標達成を表す大吉夢とも書いてありました。

どうやら「昇天」ではなさそうです。まだまだ行けるってことですね。しかも、願望成就・目標達成なんていう言葉を聞くと、細々と延命ではなく、何かできるような気もしてきました。頑張ろう……。

CT検査について

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今回行ったのは、胸部と腹部の造影剤を使ったCT検査です。胸部は肺のがんの様子、腹部は前にPET-CTで指摘されていた、大腸の様子を見るものです。MRIと比べると、CTは音もしないし、時間も短いし(10~15分程度)楽だなという印象です。来週の診察時に結果を聞くことになります。

造影剤は、イオパミロン注300シリンジという、ヨード系の造影剤です。注射で入れるのですが、この薬が入ってくると、身体の中がじんわり熱くなります。何度も同じような検査をしているから説明は必要ないだろうと思われたのかもしれないですが、「身体が熱くなりますよ」っていうのは聞きたかったな、と思います。ちょっと心の準備がなかったので、手からじとーっと熱くなってきて、どきっとしました。

今回は、注射のあとが結構腫れてしまいました。

11日金曜日は、また病院に行ってきます。平気だと言いつつ、CTの結果は相当気になってます。

本日も、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

【入院回顧録】手術当日、幻覚と妄想のICU

転移性脳腫瘍の手術当日のこと、その後のICUについて、心もとない記憶をもとに、少し書いておきますね。

 2020年12月7日 転移性脳腫瘍 腫瘍摘出手術当日

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手術当日のことは、記憶どころか、何も覚えていません。朝、食事をしたのかどうかも覚えてないです。

手術用の服に着替えたりしたのかな?手術室まで歩いて行ったのか、車椅子だったのか、ストレッチャーだったのか、それも覚えていないです。

脳の手術だから、記憶もとんでしまっているのかもしれません。

手術は、全身麻酔で行われるので、当日は「痛い」などという感覚もなく、知らないうちに頭を開けられ、腫瘍を取り除かれていたということになります。

……私自身は、何もわかってないんですよね。手術って、そんなものかもしれないけれど、自分でも見たことがない頭の中を色々されてたなんて、複雑な気分です。

手術は8時間の予定だったのに、何時までたっても終わらなくて、家族が聞いたところ、なかなか麻酔がきかず、手術が始まったのが、すでに3時間近くの遅れだったようです。

手術が終わり、気づいたときは、ICUにいたんだろうと思います。

 

おぼろげな記憶の中のICU…幻覚と妄想 

おぼろげな記憶どころか、「ほとんど、それ幻覚でしょう?」って、あとで家族に言われましたが、幻覚でも、妄想でも、自分がそのとき思ったことを書いておこうと思います。

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【以下、幻覚・妄想のICU体験 】

カーテンで仕切られた、薄暗い部屋。時々、急に明るくなってまぶしい。

最初、看護師さんと話したような気がするんだけど、その看護師さんは外国の人。「私、わかんない」って笑ってて、こちらの不安をかきたてる。

他に誰かいないのかと探したけれど、時々カーテンの外を誰かが行き来する気配がするだけ。暗い部屋に置き去りにされてる感じ。

「これ、絶対、手術失敗したわ」って思った。

だって、つらすぎる……何もできないし、暑いのか寒いのかもわからないし、とにかく何もわからない。

天井から、歯車のようなものが見えてて、何に使うんだろうと、ちょっと怖かった。

口の中に、何かぎざぎざしたものが入ってて、気分が悪い。

そして、全然動けない。動こうとしたら、かなりきつく注意されたような気がする。

目の前には、大きな時計。大きな時計なのに、文字盤が見えない。何時なのかもわからない。「今、何時ですか?」って聞くと、「さっきも聞いたよね、まだ5分しかたってないよ」と言われる。

どこが痛いって、体中痛いような気がするんだけど、とくに腕が痛かった。

それは、妄想ではなく、麻酔の点滴が入らず、何度もやり直して、実際にすごく腫れてたから。

痛くて暴れたのかもしれないけど、腕を動かせないように固定されちゃった、たぶん。

「注射したほうがいいね」と言われ、針が刺さったとたん、激痛が走る注射をされ……

絶望というのは、こういう状態をいうんだろうなと思いながら、

とにかく解放されたかった。でも終わらない気もして、悲しかった。

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ほんとは、ICUは、術後・急性期の重篤な患者さんに対する集中治療室で、24時間体制で治療・処置・看護をしてくれるところです。看護師さんは、専門的な知識・技術をもった方が担当するそうです。

ここに書いたのは、幻覚と妄想だらけのICU体験ですが、開頭、腫瘍摘出と大きな手術をした後だから、こんな気分になっていたのでしょう。手術の翌日、12月8日の午後には、ICUを出ていると思うので、20時間くらい、苦しい思いをしてたのかな。

手術当日も、ICUにいた日も、家族はずっと病院にいてくれたそうですが、私自身、自分のつらさしか考えていなかったです。すみません……

不思議なこと、病気の予感

転移性脳腫瘍、肺がんが発覚する前から、今考えると、関係あるのかなぁと思うことがいくつかありました。忘れないうちにまとめてみますね。

2020年10月中旬 目が見えなくて、高速道路が走れない

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一般的な視力が悪くなったわけではないんです。しかし、とくに日暮れ時から、ぼんやりとしか見えなくなって、とくに高速道路では、見えないからスピードについていけなくて…

10/12乗鞍、10/20荘川・御母衣ダム、10/26蓼科と、紅葉を見ようと、長野・岐阜の高速道路を走りましたが、帰りの中央自動車道は、見えない不安が大きくて、途中、飯田ICで降り、そこからR153で山道を走り、帰ってきました。

目が見えないので、眼科にも行きました。緑内障の可能性から、視野検査もしました。

⇒今考えると、頭蓋内圧亢進症状の1つだったと思います。

 

2020年10月12日 乗鞍岳で、息苦しくて、ほとんど何もできず

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乗鞍岳畳平、標高2702M。

標高が高いせいか、何か息苦しくて、ほとんど座り込んでただけ。せっかく天気も良かったのに、気合入れて写真も撮れず、残念でした。以前行った千畳敷カールや新穂高では平気だったのに… 

⇒肺がんだから、やっぱり高い山は無理なのかなぁと。

 

2020年11月中旬 洗髪のたび、髪の毛がぬける

11/19に、美容院で、カットとヘアカラーをしてもらいました。そのあと髪を洗うたびに、髪の毛がかなり抜けるんです。ヘアカラー剤が強すぎたのかとも思いましたが、いつもの美容院で、いつもと同じようにやってもらったんですけどね。ちょっと不気味でした。

→これはよくわからないです。ちなみに、よく抗がん剤の影響で髪が抜けると言いますが、今のところ何もないです。

 

2020年11月中旬 まつ毛がどんどん伸びる

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髪の毛はぬけるのに、まつ毛はどんどん伸びて黒々して、見方によっては、むしろ美人になってるということかもしれませんが( ´∀` )、自分としては、これも不気味でした。

これ、あとでわかったのですが、たぶん「緑内障」用の目薬を差してたからじゃないかと思います。眼科に行ったときに、目が見えない原因として緑内障を疑われていたので。「まつ毛 伸びる 点眼薬」などで検索すると、いっぱい出てきます。

 ⇒これも、頭蓋内圧亢進の1つで、緑内障のような症状が出ていたのが原因です。

 

2020年11月下旬 あまり人と話さなくなる

もともとそんなにおしゃべりな方ではないと思いますが、会社でも家でも、必要最低限の事務的なことしか、最近話してないと自分でも感じていました。

⇒脳のむくみがひどくなってきて、失語症の兆候も出てきたんだと思います。

 

2020年11月下旬 脳でふっと音がした

会社で仕事中、切れたって感じではないけれど、脳の中で、ふっと何か起こったような違和感がありました。

 ⇒もしかしたら、てんかんの単純発作だったのかもしれません。日付を確認してないのですが、このあたりから、言葉が出にくいなど、ひどくなってきた気がします。

 

2016年12月13日 高野山奥の院「姿見の井戸」で顔が映らない

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弘法大師空海が入定された、高野山奥の院の参道に「姿見の井戸」という井戸があります。ここは、かなりどきどきする場所で、井戸を覗きこんで、井戸の水に自分の顔が映らなければ、3年以内に死んでしまうという言い伝えがあります。

高野山は、とても好きな場所で、空海ファンでもあるので、何度も訪れたことはあるのですが、この日は雨が降っていて薄暗く、参拝の人も誰もいませんでした。暗いから見えないのかと思い、かなりしつこく覗きこみましたが、結局見えないまま、帰途につきました。↓その時のLINE履歴です。

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⇒2016年12月ってことは、4年前になるけれど、3年じゃなくても、1年遅れで、ここで来たか~って気がしています。こういう言い伝えは、あなどれないと思います。

高野山、行きたいな。でも緊急事態宣言中だから無理か… もし行ってみたとしても、姿見の井戸、たぶん顔は映らない、怖いから覗いてみないと思います…… 

転移性脳腫瘍(自分の病気)について

自分の身体の状態について、ざっくりとまとめてみたいと思います。

まず、最初の手術に至った病気についてですが、病名は「前頭葉脳腫瘍」です。

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脳腫瘍というのは、頭蓋骨の中にできる腫瘍の総称です。

脳腫瘍は、大きく「原発性脳腫瘍」と「転移性脳腫瘍」の2つに分かれます。

原発性脳腫瘍には、神経膠腫グリオーマ)など、多くの種類がありますが、私の場合は、後者の「転移性脳腫瘍」になるので、それについて書きますね。

転移性脳腫瘍とは?

転移性脳腫瘍とは、他の臓器で生じたがんが、血液の流れによって脳に運ばれ、そこで増えることによって発生したものです。転移のもととなるがんとしては、肺がんが約半数と多く、次いで、乳がん、大腸がんなどとなっています。

転移性脳腫瘍は、血液の流れで転移するので、脳の中で、どこに転移するのかが決まっているわけではなく、どこにでも転移する可能性があるというわけです。

 

私の場合も、肺がんが転移したものでした。

転移性脳腫瘍の場合、もとになるがんが最初から見つかっているわけではなく、私のように、先に脳で症状が出て、調べてみると、実は肺にがんがあることがわかるということも多いようです。

 

転移性脳腫瘍の症状は?

脳腫瘍の基本的な症状は、主に以下の3つです。

(1)頭蓋内圧亢進症状

(2)局所症状

(3)けいれん発作

 

(1)頭蓋内圧亢進症状

 脳は「頭蓋骨」という固い入れ物の中に入っていると考えられます。つまり、頭蓋内の容積は決まっているということです。脳腫瘍のように、本来頭蓋内にあるべきものではないものが大きくなってくれば、頭蓋内の圧力が高まってきます。その結果、頭痛、嘔吐、視力障害といった、いわゆる頭蓋内圧亢進症状があらわれます。

インターネットで、頭蓋内圧亢進症状を検索してたら、看護師さんの勉強のためのサイトに「頭蓋内圧亢進症状は、ずおうっと覚えよ」と書いてありました。もと「塾講師」としては、ここはチェックポイントでした。( ´∀` )

ずおうっというのは、ず…ずつう=頭痛、お…おうと=嘔吐、うっ…うっ血乳頭のことです。うっ血乳頭って、知らない言葉でしたが、視神経乳頭に強いむくみがあり、視力低下など視力障害がおきることです。乳頭ってあるから、別のこと想像しちゃいましたが…… 秋田県乳頭温泉とか… 視神経乳頭というのは、視細胞と脳を結んでいる視神経が束になって、眼球の壁をつきぬけ、脳へ向かうポイントとなるところです。

 

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視神経乳頭 https://www.skk-net.com/health/me/c03_s01.html より

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うっ血乳頭 https://nurseful.jp/nursefulshikkanbetsu/pediatrics/section_0_00/ より

頭痛はとくに朝おきた時にひどく、嘔吐については、何か食べたあと気持ち悪くなったとかではなく、いきなり吐く感じです。視力障害は初めは自覚できるほどではないこともありますが、視力が低下し、視野もせまくなっていくということです。この症状、最初から、脳の病気だからとわかるのではなく、緑内障が疑われることが多いようです。私もそうでした。

 

(2)局所症状

局所症状というのは、脳の各部位が担う機能に関連してあらわれる症状のことです。脳は、思考や言語・記憶、運動・感覚など、非常にさまざまな機能を担っています。そして、その機能は、脳の中でそれぞれ担当する部位が決まっています。脳の中に腫瘍ができると、その部位の機能が障害されて、局所症状があらわれるようになります。

私の場合は、前頭葉脳腫瘍なので、言語分野がやられてしまって、いわゆる「失語症」という状態になってしまいました。

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前頭葉は「脳の司令塔」ともいえるところです。

前頭葉、とくに前頭前野とよばれるところは、脳全体の司令塔であり、「考える」「記憶する」「行動や感情をコントロールする」「判断する」「アイディアを出す」「やる気を出す」「集中する」など、人間が人間らしくあるために、最も重要な働きを担っているところです。

冷静に書いてますが、自分のこととして考えたとき、ここに、あんな大きな腫瘍があったなんて、正直言って、……私、たぶん、人間らしくなくなってたわけですよね。絶対おかしいと思って、病院に来た原因は、言葉がうまく出てこなくなったからですが、何となく、前頭葉に障害がある兆候は、自分では気づかないまま、進んでいたのかもしれません。

 前頭葉の下の方に、言語中枢があり、この部分に障害があると、言葉は理解できても話せないという「失語症」になります。

 失語症の人は、右半身にまひが出ることがありますが、言語中枢は、左の大脳半球にあることが多く、脳に損傷があると、反対側の半身に影響が出るからです。私の場合は、幸い、まひはありませんでした。

 

(3)けいれん発作

脳の神経細胞は、その一つ一つが適切な信号を送り出すことによって、体の働きを調節しますが、脳腫瘍があると、その影響で、脳のある場所の神経細胞が一斉に興奮し、一度に信号を送ることがあります。 このときに起こる発作が、けいれん発作です。

脳腫瘍の人は、けいれん発作を繰り返すてんかんを合併することが多いらしいです。

私も、入院後2日目の朝、けいれん発作を起こしたそうです。自分では、朝、検温の時に、ということまでしか覚えていません。

ただ、けいれん発作をおこす可能性がある、となると、車の運転は、絶対にしてはいけないということになってしまいます。私も、今回の手術後、車の運転はしていません。車の運転、ドライブは大好きだったので、相当なストレスではあるのですが……

 

こうして病気のことをまとめてみると、

たしかに、頭はよくもやっとした感じだったし、目や視力の異常があって、眼科で緑内障の検査を受けていたし(頭蓋内圧亢進症状あり)、失語症だし(局所症状あり)、けいれんの発作も起きてしまったし、MRIでは、何よりの証拠と言わんばかりに大きな腫瘍が写ってるし、認めたくなくても、「脳腫瘍」だったんです。

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手術の説明③左前頭葉脳腫瘍、開頭腫瘍摘出術。

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手術の説明、続きです。説明について、前の記事はこちら。

 meadow12.hateblo.jp

 

meadow12.hateblo.jp

【手術によるプラス面】

腫瘍の摘出術により増大する神経症状の悪化、生命に対する危険を回避することができる。腫瘍摘出により得られた組織で病理診断を行うことができる。

 

 【手術によるマイナス面】

開頭腫瘍摘出術の危険性としては、以下のようなものがあり、後遺障害が生じたり、生命に危険が生じる場合がある。

 1 脳損傷脳梗塞、術後出血

腫瘍摘出に伴う脳損傷および術中・術後に頭蓋内出血、血管の閉塞になどにより、意識障害、麻痺、失語、視機能障害、嚥下障害などの神経障害が生じる可能性あり。術後の生活に重大な影響を及ぼす、恒久的な障害が残ることがある。

2 術後の創感染(髄膜炎、硬膜外膿瘍、硬膜下膿瘍、脳膿瘍)

術中は抗生剤を予防投与して感染対策を行うが、手術の際、微生物の侵入を100%ゼロにすることは非常に難しい。低栄養、免疫力の低下、頭皮の状態が悪いなど、患者の状態によっては、術後、細菌性髄膜炎、脳膿瘍、皮下膿瘍、硬膜外膿瘍などの、感染性合併症を生じる可能性がある。 

3 てんかん(けいれん)

手術の影響で、術後にてんかんが生じる可能性がある。てんかん発作が確認された場合は、抗てんかん薬を処方する。継続して内服を続けないといけない場合がある。

4 肺塞栓・肺炎・心不全等全身的合併症

長時間に及ぶ手術では、下肢静脈に血栓が生じ、肺動脈の塞栓症をきたし、呼吸障害や重篤な症状に至る場合がある。

5 褥瘡、眼球圧迫による視力障害

6 大量出血

腫瘍からの出血があり、手術時間が長くなると、出血が大量になる可能性がある。出血のため、全身状態の安定が保てない場合は、輸血を行う。

 7 髄膜播種(悪性腫瘍の場合)

悪性度の高い腫瘍の場合、手術により脳内に腫瘍細胞が散らばることがある。現在では、治療困難な病態であり、致命的な合併症となりうる。

8 頭皮、頭蓋骨の美容上の問題

手術後、頭蓋骨の陥没、金属プレートの凹凸などにより、美容上や頭皮の状態に問題が生じることがありうる。

 

手術は、12月7日です。

上記の内容は、12月4日に家族と共に、説明された内容です。

説明を見直すと、もちろん手術によって良いことはあるし、絶対に必要なものとはいえ、術後の生活が全く変わってしまうような障害や後遺症が起こることもあるんだと、どきどきします。

そうした重大な後遺症なども全くなく、本当に順調に手術が終わり、今もこうして、ごく普通に生活できる状態だから、「すごい手術を受けたんだ、これだけの危険があるなかで、今こうしていられるのは、奇跡みたいなことだ」って感じます。

12月4日の説明の時は、たぶん、病状や手術の重大さもいまいちわからず、にやにやしてただけに違いないと、正常にもどった今は、とても恥ずかしいです。手術の同意書の署名も、すっごく読みにくい、きたない字だし、日付もまちがえて書いてました。脳腫瘍の状態が最悪だったんだろうと思います。

今は感謝しかありません。

家族にも、本当に心配かけました。本当にありがとうございました。

脳外科の手術をしていただいた先生、心から尊敬します。ありがとうございました。

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手術の説明②左前頭葉腫瘍摘出

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これは、自分の脳のMRI画像です。

自分の脳なんて、初めてビジュアルでみましたが

確かに大きな腫瘍があって、こわい……  

こんなものが頭の中にあるのに気づかなかったなんて、よほど自分の身体の状態に寛容だったというか、鈍感だったというか……

この腫瘍を手術でとるの?

頭蓋骨も切るんだよ。しかも脳ってどんな感じなんだろう。

腫瘍、大きいよね。

 

とりあえず、以下、手術の説明の続きです。

 【手術の目的】

 ①腫瘍の性質を知る

脳内の腫瘍には様々なものがあり、腫瘍の種類により最も良いと考えられる治療法が異なるので、腫瘍の種類を特定する必要がある。このため、腫瘍摘出により得られた組織で病理診断を行う。

 ②腫瘍の増大による症状の悪化を防ぐ。

今後腫瘍の増大に伴い神経症状の悪化のみならず、生命に対する危険が生じる可能性があり、こうした事態を未然に防ぐ手段としては、腫瘍をできるだけ摘出する方法がその他の治療に比べて最も有効と考えられる。

 【手術方法】

開頭腫瘍摘出術を予定。

 【手術の流れ】

全身麻酔で、仰向けに寝て、頭を4本のピンで固定した状態で行う。

ナビゲーションシステムを使用し、開頭範囲を決定し、それに合わせた皮膚切開をする。20センチ程度の開頭予定。

ナビゲーションシステムというのは、脳腫瘍では典型的な手術方法らしいです。手術室のモニターに画像が映し出され、今手術している場所が、MRIではどこにあたるのかが正確にわかるということです。

・脳を包む硬膜を切開。→脳と腫瘍があらわれたら、脳、血管、神経から、腫瘍を丁寧に剥離し、腫瘍を摘出

・止血を確認後、硬膜を縫合し、頭蓋骨をチタン製プレートで固定し、頭皮を縫合して終了。

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エス・アンド・ブレイン株式会社HPより 頭蓋骨チタンプレート

↑ 私の頭の中にも、今こういうものが入ってるということですよね、何かすご~い。

手術が成功して、今こんなふうにブログが書ける状態になってるから、そんな能天気なことも言っていられるわけですが、とにかく突然、すごい手術をすることに決まって、気持ちが動転しまくりでした。

というよりも、手術前のこの時期、頭の状態は相当よくなかったようで、失語もひどいし、病状や手術の説明を聞きながらも、どうも、にやにやしてただけらしいです。あとで、家族から聞いた話ですが……

まともな頭の状態なら、にやにやしてる場合ではないのですが。この大きな腫瘍が、脳を圧迫して、何もできない状態にしていたんだと思います。

インフォームドコンセントの同意書にサインをするところがあるのですが、(これも自分では覚えていないけれど)自分の名前も書けなかったと、あとで主治医の先生から聞きました。

続きはこちらです。

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手術の説明①脳腫瘍?手術??え~??

病院に家族集合、病状や今後の手術の説明を受けました。

でもあまりに突然で、何が起きたのかもよく分かりませんでした。

「脳腫瘍」とか「肺がん」とか、自分とは全く関係ないと思っていた病気の名前が次々に出てきて、自分も含めて家族みんな、その説明を聞いている……

まるで異空間に投げ込まれたようで、現実とは信じがたいのですが、

でもやっぱり自分は脳の病気だからなのか、そんな一大事なのに、今一つその時の説明も他人事のようで、よくわかっていないことや覚えていないことも多いというのが正直なところです。

 

以下、説明の時の同意書より

 

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 開頭腫瘍摘出術

【病名】左前頭葉脳腫瘍

【手術名】開頭腫瘍摘出術

【実施日】R2.12.7(Mon)

 

【病状】

前回までの検査により、脳の中に腫瘍と考えられる病変あり。

脳腫瘍には良性から悪性まで多くの種類があって、それぞれ治療方針が異なるが、これまでの術前検査で、今回の腫瘍は肺がんからの転移性脳腫瘍の可能性が疑われる。

腫瘍は基本的に増殖する傾向があり、放置すれば、腫瘍の増大とともに神経症状の悪化(運動麻痺、意識障害、失語、視野障害高次脳機能障害など)が起こることが予想される。その結果、生命にも危険が及ぶものであるから、適切な治療を必要とする。

今回は以下の理由により手術(開頭腫瘍摘出術)が必要である。

 

手術の説明の続きはこちらです。

 

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